2021.07.13

食物繊維は大腸ガンを予防するエース

食物繊維のガン予防効果について初めて気づいたのは、イギリスのバーキット博士でした。この方は、徹底して現場を歩いて研究した人で、アフリカ特有のバーキットリンパ腫という子供のガンも発見しています。
そのバーキット博士が、ある時、アフリカ人に大腸ガンが少ないことに気づいたのです。そこで何をしたのかというと、アフリカ人とイギリス人の便の量と排泄されるまでの時間を調べたといいます。
この調査は、先見の明があったというべきでしょう。その結果、アフリカ人は便の量が多く、排泄されるまでの時間もイギリス人の半分であることがわかったのです。この調査結果から、バーキット博士は、アフリカ人に大腸ガンが少ないのは、大便の量が多く、排泄までの時間が短い為であり、その要因は食物繊維の多い食生活にあると考えたのです。
食物繊維には、便の量を増やして、排泄までの時間を短くする働きがあるのです。便秘にバナナやイモがいいといわれるのも、食物繊維を多く含むからです。逆に精製した食品ばかりを摂っていると、便の量が少なく、便秘をしやすくなります。
すると、便の中に排出された発ガン物質の濃度が濃くなり、しかも長時間、腸壁を刺激するので、それだけガンをつくりやすいと考えられるわけです。事実、大腸ガンが最も発生しやすいのは、便がため込まれているS状結腸と直腸です。このほか、食物繊維は大腸ガンとの発生と胆汁酸の分泌を変えたり、腸の細菌に影響を与えるという説もあります。

【水溶性と不溶性の食物繊維を満遍なく摂るのが理想的】
食物繊維といっても色んな種類があることがわかっています。リンゴやイチゴなど果物に多いペクチンやダイエット食品として有名なこんにゃくマンナンは水に溶ける食物繊維です。海藻のヌルヌルにあるアルギン酸も食物繊維で水に溶けます。
一方、穀類や野菜に多いセルロースは水に溶けない食物繊維です。このように、食物繊維には、水に溶けるタイプ(水溶性)と、水に溶けないタイプ(不溶性)があって、それぞれ働きも違います。
水溶性の食物繊維は大腸の粘膜を保護する働きがあり、不溶性の食物繊維には腸内に良い菌(善玉菌)を増やす働きもあることがわかっています。どちらも大腸ガンの予防に大いに役立ってくれますから、両方を満遍なく摂ることが大切です。


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