2021.09.15

デルタ株と後遺症

コロも決定し、医療現場も厳しい状況となっています。
8月13日、東京都では過去最多の5773人の感染者数を記録し、第5波とも言われる現在、
緊急事態宣言の延長月は全国的に大幅なリバウンド傾向となってしまいました。
現在、様々な変異株が世界中で出現しています。
日本では今、誰もがニュース等で見聞きする『デルタ株』
この『デルタ株』というのは従来株と一体何が違うのでしょうか?
そして、実際に起こっているコロナウィルスがもたらす“後遺症”について正しく知る事が大切です。

まず、デルタ株は、これまで重症化しにくいとされてきた、比較的若い世代でも重い症状で入院する方が急増しています。
また、感染~発症~入院治療が必要になるまでの時間が早く、従来株が7日程であったのに対し、
デルタ株は平均3日程数日で重症な肺炎に進行するケースが多く見られるそうです。
感染力においても従来型の2倍の感染力をもち、国内最初に確認されたのが今春にも拘らず、
わずか数ヶ月で感染拡大、現在首都圏で感染された方の90%がこのデルタ株であると言われています。
この事からも感染拡散力も強く、誰が罹患してもおかしくない様な強力な感染力を持っている事が分かります。
また、中国の研究グループによると、デルタ株に感染した方の体内からは、従来のウィルスの1200倍のウィルス量が検出されたそうです。
デルタ株の持つ「P681R」という遺伝子の変異は、感染すると周囲の細胞とくっつきやすくなり、
多くの細胞を巻き込み、大きな塊となります。
これが、これまでは起きなかったような細胞の融合やダメージを引き起こし、重症化に繋がりやすいとされています。
この感染力の強さなどに関しては、様々なメディアに於いて取り上げられている為、ニュースをこまめに見ない方でもご存知だと思います。

1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す『実効再生産数』は
■通常の風邪⇒2人
■季節性インフルエンザ⇒3.1人
■コロナ従来株⇒1.5~3.5人
■コロナデルタ株⇒5~9.5人
というデータを見ても、感染力が上がっている事が分かります。
(資料によって数値は若干異なるそうです)


そして、ここで大きな問題になっているのが“後遺症”です。
無症状・軽症だった方の中でも、深刻な後遺症に悩まれている方がとても多いという事、
また20~30代お若い世代に多い事をご存知でしょうか?
後遺症はさまざまあり、
・倦怠感・嗅覚、味覚異常・呼吸困難・頭痛
・脱毛・筋肉の痛み・不眠・咳・健忘
・胸痛・動悸・吐き気等々
これら後遺症によって休職や転職を余儀なくされ、元の生活に戻れず悩まれている方がとても多いのが現実です。
では、肺にダメージを与えると言われていたコロナウィルスが、何故咳や気管系以外にも後遺症を残すのでしょうか?

ここで世界で研究が始まっているのが【ブレイン・フォグ(脳の霧)】です。
これは、肺炎の症状がなく、発熱や咳等の軽症者のうち81%がこの後遺症に悩まされているそうです。
この【ブレイン・フォグ】は、脳に霧がかかったような状態になり、脳の機能低下(認知力の低下)を引き起こし、『論理的思考力』『問題解決力』
を著しく低下させ、時間を経ても回復程度が10~20%程度だと言われています。

人間の身体は、肺の細胞に感染したウィルスを攻撃するため、身体の免疫細胞は大量の“炎症物質”を放出します。
その炎症物質が血液に乗り脳にも運ばれ、脳の神経細胞を支える『グリア細胞』が炎症を起こし、周りの組織を破壊している事が確認されています。
様々な研究結果からも、脳内にコロナウィルスが確認されていないのはその為であると言われています。


先月30日には新たな変異株『ミュー株』はWHOで【VOI=注目すべき変異株】として位置づけされました。
(『デルタ株』は【VOC=懸念される変異株】)
ご自身と周りの大切な人を守る為、引き続き水際対策は勿論、コロナウィルスに対する正しい知識を身に着ける事が大切です。