2021.04.12

生理活性物質『ポリアミン』

生命の細胞増殖を担う「ポリアミン」。プトレッシン・スペルミジン・スペルミンのこの3種類がポリアミンです。全ての動植物の細胞の中に含まれている共通因子です。

私たちが普段食べている物にもポリアミンは含まれるわけですが、どういうものに多く含まているかというと、キノコ類、野菜だとピーマン、それからやはり大豆に多く含まれています。
面白いのは、大豆でも納豆に多く、乳製品の牛乳よりもヨーグルトに多い。何故でしょうか?
これは、要するに乳酸菌たちもそうですけど、微生物のなせる業ということになります。いわゆる、発酵がかかると多くなるということです。
私たちが食べた物を腸の中で更に腸内細菌たちが生成しているという事がわかりました。ですから、乳酸菌代謝物質の中には、ポリアミンが非常に多く含まれているという事になります。

ポリアミン(成長因子)は、すべての生物の細胞の増殖や分化に不可欠な物質であるという事なのです。
腸内細菌たちが合成する「ポリアミン」。私たちが口から食べた物は胃で消化されて、粥上になり腸へ行きます。そこで腸内細菌によってもっと小さな物に分解されます。
例えば、たんぱく質なら最小単位のアミノ酸まて分解してくれるのが、腸内細菌なのです。更に腸内細菌は分解したものを合成します。また違ったものに作りかえるという作業をします。

ポリアミンの生合成経路は、たんぱく質の最小単位のアミノ酸、その中のアルギニンをオルニチンに変換します。オルニチンは、しじみに含まれる遊離アミノ酸といいます。更にオルニチンから腸内細菌がプトレスシン→スペルミジン→スペルミンというこの三段階(ポリアミン)に変換するのです。
ポリアミンは、もともと食品の中にも微量入っていますが、更に腸の中で腸内細菌たちが作っているということになります。

ところが、これは加齢に伴って細胞内のポリアミンは、どんどん減少することが分かっています。ポリアミンが減少してくると、本来なら丸なら丸の細胞を同じように作っていかなくてはいけないのですが、しっかり再生されなくなるという事です。これが老化という事になります。ポリアミンの減少は老化に直接的に影響するということです。
ポリアミンというのは細胞の再生と抗老化作用、そして、注目すべきは非常に高い抗炎症作用があります。免疫活動の中で炎症サイトカインというのが出てくるわけですが、過剰に出た炎症サイトカインにキャップをする役割をするのがポリアミンとされているわけです。ポリアミンは非常に奥深い物質でございます。是非、これは注目いただければと思います。