2021.08.26

全身を巡って栄養を届ける『血』について

【血を造るものと貯蔵されるところ】
血は脈管の中を流れる赤い液体で、全身の組織・器官に栄養を運びます。血を造るのに必要なのは、飲食物を消化・吸収して得られた水穀の精微です。水穀の精微の一部は脈管に入って清気(空気)と結合します。そこに心臓の役目をする心という臓器が関わって、赤い液体に変わるのです。出来上がった血は肝に溜められて、必要に応じて、心から送り出されます。

【血の乱れによるトラブル】
血は全身に栄養を運んでいますので、血が行き届かない部分は、栄養不足となります。血が不足した状態を『血虚』といい、顔色が悪くなり立ち眩みが起こる原因になります。手足などに血が足りてないと、痺れたり、筋肉が痙攣したりします。目や爪は血虚の影響が現れやすい部分なので、目のかすみ、爪の表面でこぼこに変形したりするなどの症状がみられます。
また、脈が弱くなり動悸を感じるようになります。女性は月経が遅れたり、出血量が少なくなります。

血が順調に流れなくなり、どこかで停滞することもあります。停滞した血を『瘀血』いい、瘀血が生じた状態を血瘀といいます。血瘀になってしまうと顔がどす黒くなり、唇や舌が紫色になります。
また、瘀血の出来たところに慢性的な痛みを感じるようになります。刺すような、引きつるような痛みで、いつも同じところが痛みます。
カラダに熱が篭ると、血までも熱せられ、血熱という状態になります。血熱になると、血が異常に早く流れ、脈管を破る為、鼻血、吐血、血便、血尿などの出血がみられることになってしまいます。
なお、熱をおびた血は、どろどろになって瘀血になりやすいといわれています。逆に、体が冷えすぎると、冷えた血がかたまって瘀血になることもあります。


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